創書日和「縁」 伏線/大村 浩一
いまさら詩人になりたいなどと
言われたって遅い
きみのして来た事がきみの今だ
時間が過ぎれば何だって腐る
ロープだって約束だって
あの顔をまた見るようになった
自分でも忘れていた悪夢の続き
何かを売り場へ返してこいと言われ
3階建てのコンクリートの売り場へ
男性スタッフ諸君に懇願するが
変な顔をされては離れていく
最初に命じたあの男に
僕は前かがみになり
しきりに何やら叫んでいたが
彼の薄笑いは止まらない
そのまま汗じみた朝が来た
(蛇のようだね)
そうとも
できればもう何も思わず
顔を伏せている間に
全てに頭上を通り過ぎて欲しかった
おそらく
誰からも背かれたものとして
書くよりはない
(愛されたいのなら
詩なんか書くな)
2007/4/30
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