記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
ように、それでも俺にはわかるように書いた。
結果、俺は加速度的に彼女に惹かれて行く事になった。
思春期に初めて知り合った女は、俺に限りなく優しかった。
鐘が鳴り、授業の終了を迎える。世界史の教師は最後まで説明を諦めない。
俺は、嘉人と他一人の3人で、ずっと筆談をしていた。
…端から見たら、女の子みたいな事してたと思うよ。実際、女脳なんだ。
嘉人は突然にこちらを向き、こう言った。
「お前に、アイツ(舞子)のアドレスと携帯番号教えるよ」
「はぁ?」
よくわかんねぇ展開だ。だって、そうだろ、まだ一回しか会ってない。
だが、これはいい。俺が舞子に惚れてる事も知らなかったんだろうか
[次のページ]
前 次 グループ"記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」"
編 削 Point(1)