記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
うか。

 未だに、ここら辺の真相は俺には理解出来ていない。
嘉人曰く、俺以外に、舞子を預けられるような人物がいなかった…
との事だが、それは俺でも同じだと思う。そもそも、何を予期していたのか。
嘉人は、何らかの持病を持っているらしく、年中血を吐いている…
と言う話を聞いていたが、実際に見た事は無い。
保健室にいる姿は年中見ていたが…ね。

 俺はよくわからないまま、彼女の番号とアドレスを入手した。
その日、俺は名前を変える事を思いついた。理由なんてモノは無い。
ただ、友人の彼女に惚れると言う、倫理的に見て良くない事をしている俺に、
言葉によって「戒め」を与えるべく、憂治 誡とした。
彼女は、これを聞いて、笑っていたらしい。「そりゃそうだ」と。

 真夏を過ぎても、いまだ暑い日は続く。
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