記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
方になった。
つまり、舞子が俺の隣にいるって事になる。何故かドキドキしていた。
無理も無いだろう、中学からの男子校暮らしで、5年もまともに女の子を知らない。
妹がいるが4歳も年下で、同い年の女の子を知らない。
俺にはむしろ、異星人の様に思えた。その存在自体が意味不明だ。
話がそれた。
俺は今でも、うっすらと舞子のその日の格好を覚えている。
色んな国旗のプリントが入った眺めのスカート、緑色のニットチョッキ。
その瞬間から、俺は舞子を意識していた。笑かしてやろうと思った。
彼女の家庭に、なんらかの問題があるらしい事も知った。
俺に、何が出来るだろう。この瞬間だけでも、楽
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