記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
ドリンクが飲み放題なのだ。これが嬉しくて通っていた。
偶然だが、一番奥の席に通されて、ちょっといい気分だったのを覚えている。
それぞれメニューを注文して、談笑する。
流石に、飯屋で先ほどのような話は出来ない。
真面目に、俺は彼女の話を聞いていた。
舞子は、俺に興味がある。訳のわからん詩を書く俺に、興味がある。
後々重要になるが、彼女が興味を持っているのは、
「詩を書く、憂治 誡」なのであり、「嘉人の友達」じゃない。
なんにせよ、彼女は嘉人と「誡」の間で板挟みになっている…と言った状態だ。
舞子は聞いた。
「こんな私を、あなたはどう見ているの?」
俺の答え、今でも覚えている。
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