記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
こぼことしていた。
常に黄色い体液が滲み出し、触れれば鋭い痛みが走る。
俺は、そんな自分自身の定めを、心から恨んでいたし、
こんな体に生んだ両親を憎んでいた。
今は、そんな事は無い。心から感謝している。
何か苦しみを乗り越える事は、こういう心境の変化をもたらすようだ。
俺は留学の為に、TOEFLの勉強をしていた。
勉強の合間に、何か時間を見つけては、舞子にメールをしたり、電話をしたり。
いや、俺はその頃、普通自動車免許を取るために、
実家の近くの自動車学校に通っていたのだ。思い出した。
その帰り、必ず電話していた気がする。
何時だったか忘れたが、モーニングコールを
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