記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」 まとめ/虹村 凌
会話が成立しないと言う状況に陥った。
その彼女のAは、Y村の言動に振り回され、
俺はそれに引きずられた。
3人の間に割って入ったK氏は混乱し、
整理するどころか、話の共通点すら見えなかっただろう。
I氏は一歩退いて見守ると言う、動物的に正しい位置にいた。
YとAの関係は、混乱を極め、俺は感情的に喚き続けた。
俺は誰の話も、忠告も聞いちゃいなかった。
アトピーが一番酷かった頃に、
俺が世界が裏返った瞬間をみた時に、
全ての綺麗事が否定された瞬間を見た時に、
死こそが輝きで、甘美な誘惑で、美しい終焉だと信じてた時、
その全ての瞬間に一緒にいてくれた女を、
どうして愛せ
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