荒川洋治を読んでみる(六) 『高所の毬』/角田寿星
 
旧は、昔なじみ。こまものは、小間物でしょうね。正確には、婦人用の、こまごました化粧道具や装身具のことです。

「葡萄」…トルファン地方の名産です。灼熱の地とイメージのギャップがありますね。

「末むらさき」…「うらむらさき」とルビがふってあります。古語です。実はただの紫色のことです。当て字じゃなくて「末紫」と書くそうです。樋口一葉の未完の小説に同名のタイトルがあります。和歌にも散見されてて、それは「うら」と「恨む」を掛けるからです。

「文明のさむしろ」…さむしろは、「狭筵」と書きます。ちいさなムシロのこと。あー勉強になる。和歌なんかでは「さむ」と「寒い」を掛けるようです。

「稜線」…知ったかぶりはイクナイので、これも辞書を引いてみます。尾根のことですね。山の峰から峰へと続く線、です。

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