空を飛ぶ夢/ajisai
」
天使は哀しげな目で少年を見つめた
「なんて無茶なことを…。」
「ううん、僕少しだけど飛ぶことができた
それは素晴らしくてとても素敵だったよ
天使様が祝福をしてくれたおかげだよ。」
少年は後悔の様子もなく無邪気に微笑む
純粋に空を飛べたことを喜んでいるようだった
「そう、よかったわね。」
天使は薄く微笑むと
少年の手を引き天国へと向かった
少年のあまりにも純粋な心が眩しくて
天使はほろりと涙を零した
神様が人間という不完全な存在を
愛する気持ちが少し分かった気がする
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