サミーラ/恋月 ぴの
 
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつながる遠い国の友だち
暫くして受け取った返事の中で
彼女はフランス風の瀟洒な街並みと
そこに暮す人々の活気を教えてくれた
多様な神々のくつろぐカフェで
彼女はわたし宛の返事を書いてくれた
やがて彼女は学校を卒業すると
両親の決めた相手と結婚して
子どもをふたり授かった
手紙に添えてあったスナップ写真には
幸せいっぱいの笑顔がこぼれていた
いつ頃からだっただろうか
そんな彼女とも次
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