詩片H ?/土田
て
いびつに映しだされた
おおかみのシルエット
ねずみたちは血をすすり
泣き終わった可憐な少女は
深海に落ちてゆく青磁の鱗のように
ゆるやかに狂い咲き
水面に月を浮かべる
8
おまえ
は
あん
と
鳴いて
うん
と
肋骨
を
無くす
髪の毛
の
ゆくえ
に
凄む秒針たち
声
を
亡くして
呟いてみる
書くこと
は
何
も
なく
あん
と
鳴いて
うん
と
肋骨
を
無くす
おまえ
ふるえて
音が
あること
を
わたし
は
かなしい
と
読んで
9
あの子は
悩ましい詩に黄昏て
うまれ
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