詩片H ?/土田
片手に
毛布一枚にくるまって
そのなかに冬の病が居座って
わたしはくぐもる白い窓に
それを描き続ける
5
ぺろぺろとちいさな舌
薄情な攣眼のグリーン
ミルクはおいしいかい
ミルクはおいしいかい
おまえの母もそうだった
おまえの姉もそうだった
ミルクはおいしいかい
ミルクはおいしいかい
わたしはおまえが嫌いだけど
あのひとがにこにこ笑うから
ぺろぺろとちいさな舌
薄情な攣眼のグリーン
ミルクはおいしいかい
ミルクはおいしいかい
でも野良犬よりおまえはまずいから
いまは食わないことにしておこう
ミルクがなくなるそのころまで
6
むかしむかし
た
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