女王の片恋に関する11のソネット/佐々宝砂
 
いし
きみのまえで踊る女王は
サロメではない。

だとしても
きみの命運は定まっている。
きみは首を差し出すほかない。

石の床に転げるきみの首。
女王はそれを省みない。
銀の皿に載せようともしない。


その3

灰色の部屋の
白いシーツのうえで
黒いベルトに拘束されて
きみは天井の染みを見ている。

ベラ・ルゴシ似のマッドサイエンティストは
紫と緑の液体を混合する、
しかし映像はモノクロだ、
発生した霧の青黒さは誰にもわからぬ。

そしてきみの頭蓋にとりつけられる電極。
きみは声をあげるだろう、
悲鳴をあげるだろう、

女王は満足げにそ
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