今村知晃/モリマサ公
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない。もう
止まらなくても良いのよ、
と誰かが言ってくれるのをまって、
交差点で、駅のホームで、看板をみあげながら。
知らない女の子の匂いがする。
肉のような雲の腹から水滴が落ちてきて、
ぽつんとやり場のない痛みばかりが
アスファルトを濡らして、
なぜなんだろう。
後ろめたい気持ちがして、
交差点で、駅のホームで、
ここはどこなんだろう。
看板を見上げながら。
どこでもない、
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