今村知晃/モリマサ公
 

どこかの、
誰でもない、誰かの腕と足、胴体と首が
ずるずるっとずれていく。
もう止めなくても良いのよ、
と誰かが言った。
孤独という意味で超完璧。
さみしさでいっぱいの不透明のまっかな風船が、
血液を乗りこなすように、
つぶつぶになってのぼっていく。
もう止めなくても良いのよ。
私は私自身の指をしゃぶって、
しゃぶりながら半壊する月を見上げて、
交差点で、駅のホームで、
幾千のシャツが汗ばむ。


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