異形の詩歴書 14歳夏/佐々宝砂
 
った。この本が何を揶揄しようとしているのか、当時の私には全くわからぬ埒外のことだったからだ。SFの文脈で読むことも難しいと思われた。しかし、そこにはなんだか私の好きな味があった。鈴木いづみに繋がるような、ごくごくかすかな少女趣味と、透徹した認識と、あかるい絶望と。そこには、血と暴虐とセックスよりはるかに危険な何かが潜んでいた。

 二学期に入って、私はその「危険な何か」を持つ詩人に出逢うことになる。


2001.3.27.(初出 Poenique/シナプス)
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