異形の詩歴書 高校編その2/佐々宝砂
 
代の独身女性で、生徒から怖れられている厳しい冷徹な人だった。全体的に造作の小さな小作りな顔に、ちんまりした鼻とどこか柴犬に似た目があった。彼女はまた、お洒落でもなかった。素っ気ないショートヘアで、飾り気のないシンプルな服を着ていた。彼女には大人の女らしい色香もなかった。凹凸の少ないやや中性的なスタイルをしていた。けれど立ち居振る舞いがとても美しかった。……いや、美しかったと書くのは間違っているかもしれない。私の記憶は美化されすぎているだろう。でも彼女は、いつ見ても背筋をしゃんと伸ばしていた。それだけは確かだった。私はその背筋に憧れたのかもしれなかった。

 一部の生徒は、この女教師をとことん
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