異形の詩歴書 〜10歳/佐々宝砂
 
が好きだった。私はその続きが翻訳されるたびに母にねだって買ってもらった。マザー・グースはご存じのようにイギリスの童謡だけれども、私が最初に読んだものは谷川俊太郎の翻訳である(いまは新潮文庫からでてるが、うちにあるのは草思社からでていたハードカバー版)。それで、マザー・グースというと、どうしても谷川のコトバで、堀内誠一のイラストつきで浮かんでくる。ちいさいころにしみとおった記憶は、いつまでも抜けそうにない。

 『マザー・グースのうた』と『ことばあそびうた』は、今読んでもやっぱりおもしろい。私はそれらの詩編からさまざまなことを学んだ。どんなに小さな子供に向けた詩だとしても、詩人は語彙を制限する
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