異形の詩歴書 高校編その5/佐々宝砂
 
もっとわがままで、数学はいっさいとりたくないが社会関係の学科は全部とりたいとだだをこねていたのである。それに較べりゃ私の意地などかわいいものだったらしい。

 あまり得意でない英語か数学を熱心に勉強すべきだとは当時の私ですら思ったが、私は勉強熱心な生徒ではなく、勉強と称してFMラジオを聴いてることが多かった。私は夕方やってるNHKの午後のサウンドと、夜やってた民法FMのサントリーサウンドミュージックが好きだった。ぼつぼつテレビでも洋楽の番組がはじまっていた。野田秀樹の番組も聴いたように思う。私にとって野田秀樹という人物は、まずラジオのパーソナリティーだったのだ。

 確か二年生一学期の期末
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