そんなときには。いいか。 デンシンバシラとしゃべるんだ。 稲妻が内部をかけめぐり。 丸い蜜柑がのけぞりかえる。 そんな事態になったなら。 白ちゃけて。唸るようにさびしくなったら。 人じゃない。相棒になるのは。 夜中の三時のデンシンバシラだ。 デンシンバシラはゆすっても。 デンシンバシラは動かない。 手のない。指のない。見えない腕で [次のページ] 前 グループ"近代詩再読" 編 削 Point(10)