近代詩再読 草野心平/岡部淳太郎
 
の会話」の会話形式を踏襲した「おたまじゃくしたち四五匹」の優しくファンタジックな世界まで、蛙というひとつのテーマだけで、実に様々な詩を書きわけている。「号外」での以下に引用するオノマトペは、読んでいて思わず一緒に歌い出したくなるような勇壮さだ。


ぎやわろッぎやわろッぎやわろろろろりッ
ぎやわろッぎやわろッぎやわろろろろりッ
ぎやわろッぎやわろッぎやわろろろろりッ

(「号外」より)


どうしてだろう。
うれしいんだのに。
どうして。なんか。かなしいんだろ。
へんだな。
そういえばあたしもかなしい
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