近代詩再読 草野心平/岡部淳太郎
 
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 これですべてである。これのどこが面白いのか? まず一行目の「グリャリャ」というのは、蛙の名前であろう。草野心平の蛙の詩には、ところどころに蛙の名前が出て来る。この「グリャリャ」だけでなく、「ゲリゲ」だとか「ギケロ」だとか「ぐりま」だとか「ごびらっふ」だとか、草野心平の詩の中では、蛙にも人間と同じように固有の名前があり、人間と同じように恐怖を感じ、ささやかな遊びを楽しんだりもするのだ。つまり、ここでは一匹の蛙が「グリャリャ」と呼ばれるもう一匹の蛙に話しかけているのである。二行目。「ちんぽ」である。タイトルに「蛙つりをする子供」とあるので、この男の子は池のほとりか何かに座って、釣り
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