近代詩再読 草野心平/岡部淳太郎
 
釣り糸を垂らしているのであろう。しかも、下半身むき出しでである。エロティックとか言う以前に、何とも滑稽な図ではないだろうか。しかも、その「ちんぽ」が「曲つティる」のである。いったいどんな「ちんぽ」なんだと言いたくなるが、このひと言に僕は何とも言えぬアナーキーさを感じる。よく注意して見てほしい。「曲つている」のではなく「曲つティる」のである。わざわざ途中の字を片仮名にした上で促音をまぎれこませている。蛙の言葉は人間の言葉とは微妙に違うことの表れなのであろうか。こうした独特の「蛙語」とも言うべきものが、この詩だけでなく一連の蛙の詩に豊かな彩りを与えている。それが人間社会に対するある種のカウンターとして
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