幽霊のひもの/岡部淳太郎
 
       が、その心もいつかひものになっ
               てゆくのかもしれないなと、思い
               ました。空は晴れていました。そ
               れはもう、実にみごとに晴れわた
               っていました。鉄棒の白くて薄い
               ふとんみたいなものがぶら下がっ
               ているところの地面は泥んこにな
               っていて、そこで靴を汚しながら、
               みんな淋しく大きなものになって
               ゆくんだなと
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