身体の物語/アンテ
いつまでたっても目的地にたどり着けなかった
一度沈み込んでしまうと
その部分を切り落とす以外に助かる方法はなく
そうやって取り残された身体が
地面のところどころに埋まったまま
腐って異臭を放っていた
目的を達せられないまま
やがて激しい雨が降りだして
みるみる水たまりが成長して地面がぬかるみ
彼女は一歩も動けなくなった
立ちすくんでいると
靴の底がすこしずつ沈みはじめたので
抜け出せなくなる前に木によじ登ろうと
決心して駆けだしたが
何歩目かで深みにはまってしまい
気がつくと彼女は胸のあたりまで地面に呑み込まれていた
どれだけもがいても抜け出せず
むしろ沈む一方で
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