それは怖い夢物語『不思議な糸』/和泉 誠
 
りと消えていった
ようやく目を覚ました仲間にその事を話してみるが
まだ酔いが抜けてないのだろうとみんなで私を笑った
ただ一人四郎だけが本当にまだ酔いが抜けないのか青い顔をしていた

今夜も飲むぞ、みんなはそれを聞いて飛び跳ねた
私と顔色のすぐれない四郎を除いて
一体どうしたんだ?四郎?
なんでもないっちゃ
そう答えると四郎の顔色はますます悪くなる
四郎は家さ帰れ、おっかあが心配してるべ
おっかあの話をされると青筋を立てて怒るはずの四郎は
それを真に受けてそそくさと家に帰っていった

四郎は昔おっかあからこんな話を聞かされた
夜の闇はおっかねぇ、さっさと家さ帰ってこ

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