流れ星/和泉 誠
 
特別な人
普通の人とは違う人
こんなに近くにいるのに
絶対に触れることができないあの人

普通の人
そこらへんにいる人
そこら中に散らばっているのに
あえて選ばなければいけないある人

そうか
あの人は流れ星なんだ
僕がずっと探していた流れ星なんだ

すべてを飲み込んでしまう黒いの胃袋
どんな光さえ逃げ出せない黒い暗闇
それを唯一照らすための方法
それは流れ星になること
だからあの人は流れ星になったんだ

もしもあの人が僕と同じように
地を這う生き物だったら
僕は今までそうしてきたように
その力を吸い尽くして
ゴミのように捨ててしまうだろう

あの人が照らし続ける限り
僕は決して止まらない
ひたすら走り続ける
だからあの人は流れ星になったんだ

僕に新しい光を
そして僕に新しい約束を
決して満たされることのないその運命を
優しく導く女神がまた一人現れた

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