キリエル人(きりえるびと・ウルトラマンティガ)/角田寿星
 
り躰よりおおきな腔を開けキリエル人を呑み込んだ。
キリエル人は喰われながら捕食者の脳に接触を諮る。知性を認めない。
右手を挙げ力を篭めると捕食者の躰が歪に裂けて爆発する。四散する
捕食者の消化液を浴びながらキリエル人は振り返ることなく歩いて往った。
為すべき事は予め解っていた。

そのキリエル人は羊皮紙の文献の狭間に潜んでいた。キリエル人が人類の
前にはじめて姿を顕したさまが克明に記された書物は征服され焚かれた
修道院の書庫の奥深くに現在も喪われ眠っている。

そのキリエル人はあまりの高温に自らの肉躰を保つことが出来なかった。
思念だけの存在で爆心地の半島に向かう。3万5千ト
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