キングジョー(ウルトラセブン)/角田寿星
くりと
倒れていった
その手をけして離しはしない
夢はかなったのだと くりかえし
くりかえしみずからに言い聞かせ
なおも渇きに苦しみ
太陽系に吹く風はことさらに強く
酒ですべてを紛らわした
ひとのことばで歴史をかたろうとする
ひとの歴史をことばでかたることの
むなしさとごうまん
繋いでいると思っていた左手が
異次元の向こうで 空を切った
やかましく扉を叩く音がきこえてくる
君が扉をやかましく叩く音
扉のやかましい音は君が叩く
音は叩くやかましい君の扉
叩く君の音は扉がやかましい
扉を叩く 音は叩く 君が叩く
やかましくそしてやかましい
やかましく扉を
叩く音が
次 グループ"怪獣詩集"
編 削 Point(2)