妹のはじまり/岡部淳太郎
 
いやらしくなるだろう。その間にも、妹
は妹としてふるまうことが許されるのだ。しかし、私のように実際
に妹のいた身にとってみれば、妹は単に数年分の欠落を除くほとん
どの時間をともに過ごしてきた人間に過ぎず、それ以上でもそれ以
下でもない。妹が妹であるためにはその上に兄や姉が必要なはずだ
が、同時にその下にさらに若い妹や弟がいる可能性も否定できない。
だから、妹であるというだけでそこに未熟な力を期待しても、当の
妹にとってみればありがた迷惑でしかないのかもしれない。この時
代、世界のあらゆるところで力の減退が叫ばれ、それが目に見える
形で顕著になってきており、人類は無意識のうちにそれ
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   グループ"散文詩"
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