或る夏の日/虹村 凌
クシーで岐阜まで行く訳ねーだろ!チクショウ!
ナメてんのか!コケにしてんのか!!あぁ?!
途中、一台のバンを止めた。
お兄さん達が沢山乗ってた。お姉さんも乗ってた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!」
と謎の歓声を上げながら、俺の目の前で止まった。
「岐阜まで行くのか?」
恐そうなお兄さんが聞いた。
「はい。」
俺はビビりながら答えた。
「雨に濡れちゃって、かわいそうじゃない」
お姉さんが言った。顔が見えない。
「何で岐阜まで行くんだ?」
もう一人の恐そうなお兄さんが聞いた。
「む、昔のマブダチが事故ったって聞いて…」
俺は何故か嘘をついた。俺
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