或る夏の日/虹村 凌
 
まで掛かる時間と、
バスの発車時間が丁度なのだ。
しかし、これはあくまでも、各駅での停車時間を一切排除した表示である。
どう願っても無理だ。不可能なんである。
女と遊んでて、他の女と会うのに失敗する!とわ。あんまりだ。
俺は全身全霊でカミサマに願った。
電車よ、間に合え…!





願いも空しく、俺は電車の中から、岐阜行きと思われるバスを見た。





俺は東京駅を駆け抜けた。
長いエスカレーターも駆け下りた。
流れる汗をそのままに。
バス停留所に着く。勿論バスの姿は…あった!
俺は走る。それはもう満面の笑みで走る。

「お客様、これは2号車でご
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   グループ"自由人の狂想曲"
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