破壊的衝動による狂乱の独白/虹村 凌
、壊したいとも思えない、大きな自由の中で、
色々な事が考えられる。友人について、その苦悩について。
気に喰わない事は、気に喰わないと思える。言える。書ける。
不満なんて、ひとつも無い。それが、不満なんだろうか。
帰って、「ただいま」と言う言葉に、「おかえり」と言う返事が無くとも、
スイッチを入れれば、それだけで、部屋には光が灯って、闇が追い払われる。
それだけが、俺には幸福に思えて仕方が無い。
キスも、ハグも、今は手に入らない。金さえ払えば、手に入るけれど、ね。
それでも、缶コーヒーが美味しい。煙草が美味しい。カップ麺が美味しい。
布団が柔らかい。寝床が暖かい。それだけで、幸
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