「完璧な朝」(みんなのうた)/虹村 凌
ゆるり
と転がる風に目を覚ます
取り立てて早起きでもない
かと言って寝坊でもない時間に
目覚ましなんて煩わしいモノを使わずに
自然と目を覚ます
窓から差し込む光は部屋を照らすのみで
この体を照らす事は無い
寝起きの体には
シーツとブランケットがひっついていて
そいつをひっぺがしながら上半身だけ起こす
水を少しだけ飲んで
ついでに煙草を呑む
そうしながら昨夜の事に思いを巡らせる
隣には美しい女性が寝ている
短くても綺麗な輝きを放つ髪の毛を撫でながら
煙草の煙を吐き出し続ける
あたりにはちょっとした街の音
半分だけ煙草を吸ったら
灰皿で消す
美しい髪
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