「完璧な朝」(みんなのうた)/虹村 凌
い髪の毛に口付けてから
そっとベッドを抜け出る
珈琲を飲みながらベランダに出る
二本目の煙草に火をつけて
遠く遠くを眺めている
後ろから柔らかく抱きつかれる
そろそろ今日の一回戦目の始まりだ
柔らかい手が硬さを増させる
愛で鼓動が早くなる
思わず落とした珈琲カップが
しばらくの間の静寂の後
ガシャン
と鳴る
その頃既に
愛で鼓動は限界を超えようとしていた
ドクンドクン
遠くの方では東京タワーが一定のリズムで脈打っているのをみながら果てる
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