『エンジェルエッグ』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
ていた)
一匹の蛇がスルスルと柱を上って行くのを目撃し
柄にもなく 庭箒で撃退したのだ
去り際に蛇は振り返り
?おまえ 後悔するぞ?
そう言い残すと草陰へ滑り込み姿を消した
わたしはその尾の先が見えなくなると
すぐに脚立を持ち出し
巣を覗いてみた
そこには青みを帯びた
鶏の卵大のものが一個だけ
巣の割に大きすぎるように思えたが
特別気にも留めなかった
だが その夜から
卵はわたしの部屋に現れたのだ
エッグは戸締りをしていても
突如部屋に現れる
ゆっくりと小さな翼で羽ばたいて
ふわりふわり漂っている
夜になると薄く青く燐光を放った
そっとパンやチー
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