『聖母ジェンマ』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
て来たのだ
最初ジェンマは撃退しようと身構えた
?キサマおれの娘になにしやがる! ?
嘘からでた親心もすっかり板についている
――だが
ふと
未だかってなくこれからも在り得ないような
素晴らしい計画がパッと閃いたのだ
?そうだこのまま娘が番になって卵を産んで
その卵をまたおれが育てて
それを二代三代と繰り返せば
おれを親と慕うカモの群れがどんどん増えて
おれはいつでも好きな時に食えるじゃないか
卵も雛も親鳥だって食べ放題じゃないか
狩りなんて原始的なことはもうしなくていい
おれは一生飢えなくていい?
今や小さな狐の小さな小さな脳みそは
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