『聖母ジェンマ』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
壮大な計画で飽和し湯気が吹き上がっていた
ガリガリに痩せたからだを震わせて
ジェンマはコンコンと咳込んで笑った
三年が過ぎた
洞穴の奥でジェンマは伏していた
子ガモたちの母という重労働と栄養失調
卵や雛を狙う敵との熾烈な争いの果てに
すっかり身体を壊し
もはや立つことすらできなかった
すぐ周りには沢山の雛が寄り添っている
あいかわらず「ママ! ママ! 」忙しない
雛たちはフワフワの綿毛で覆われていた
?あったかいな……
?解禁だ そろそろ 食っても
いい頃合いだ 長かったな ここまで
ひと眠りして 疲れが 取れたら
こいつらを 二三羽 食べ
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