『望めても選べない』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
う意味だろう?
「知識の絶対的信奉者」それが
他の個たちの私に対する思念の細波だった
それは突然訪れた
衝撃と熱がうねり 個がひとつ 消滅した
私たちは思念を限りなく静め
感覚だけをしばし研ぎ澄ました
やがて不安と興奮に満ちて思念が行き巡る
誕生なのか?
それとも消滅したのか?
消えた個の思念は一切感じられない
それから個の消滅は続けざまに起きた
ほぼ同じくらの時間を経て
個がひとつ またひとつ
思念を消して往く
いまや個はふたつのみとなり
不安と恐れが激しく渦巻いていた
誕生 誕生 誕生 誕生……
知識の反芻が幾重にも打ち寄せる
その思念が たっ
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