『望めても選べない』  卵から始まるはな詩?/ただのみきや
 
たった今
――消滅した!

私はひとり残された
初めて体験する思念の無
耐えきれない孤独と恐怖に
私はただひたすら知識を反芻し
自分の思念にみに強く意識を集中し続けた
やがて極度の緊張から
私は意識を失った

かなりの時を経て全身に重力がかかると
私は意識を取り戻した
熱が 取り巻いている
――誕生だ! 
私は確信した
恐れはすでに私から去っていた
誕生だ 光の海 外界へ

押し潰されるような圧力を感じ
すぐに鋭い衝撃が私を貫いた
次の瞬間 溢れる光の中を私は落下し
再び激しい衝撃が私を極度に変形させ――

――熱だあああ! 恐るべき熱うう!
私は
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