詩集『十夜録』全篇/春日線香
ここに眠る
笹舟
水のように
再会
斎のあとで
奥座敷
五月闇
なんこつ忌
探幽記
賽の原
板
りゅうぐうのつかい
料理
廊下
帰れない
お玉
悪所
供養
サルデニア・トランスファー
青い火
ここに眠る
石のおもしをのせて眠る
石のおもしをのせた真夜中に
紫の腕がやってきた
紫の腕はぶるぶる震えて
「生きたい、生きたい」と泣いていた
かわいそうに思ったので
布団の中に入れてやったら
ぎゅっと手を握りかえしてきた
石のおもしをのせ
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