川柳が好きだから俳句を読んでいる(5、前原東作のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
、激安価格で購入したのだ。そして荷物が届く、封を開ける。するとそこには宇宙が広がっていた。これは比喩表現ではない。前原東作の全句集の入っている箱のすべての面が一枚の宇宙の写真で覆われているのだ。句集や全句集は三十冊ぐらい持っているが、こんなに大雑把に宇宙しか印刷されてない句集は他にない、実際世の中に存在するすべての句集でそうかどうかは知らないが、宇宙であっても多少デザインはしてあるだろう、それが完全に放棄されているものをおれは見たことがない。実にあっけらかんとしている。全句集という文字さえ入ってなければどこかの天体博士の研究の成果をまとめた豪華本か、もしくは小学生の科学の辞典かとすら思えてしまう。
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