シティ/るるりら
線路はどこまでつづくのか
トンネルの向こうに
白い世界が見えるが ちかづいてくると
どうやら画布だ トンネルの出口は大きな世界地図で塞がれている
列車は べつだんなんのアナウンスもなく 地図に突入してゆく
息をのんでおもわず目をつぶるまぎわに
つり革の人の革靴の足に力が入り すこし屈伸したのを見たと同時に
風圧とともに画布の破れる音がして世界は広がった
なんという地平だろう
なんという明るさだろう
しばらく列車は陽気に前に進んでいたが
ふたたびトンネルにさしかかった
トンネルの向こうに
白い世界が見えるが ちかづいてくる
こんどの画布には 日本地図が描かれている
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