How much?売りの少女/花形新次
2010年も
もうじき終わろうとしているのに
少女には年を越すだけの
十分なお金がありませんでした
少女は寒さと空腹と疲労でフラフラしながらも
ゴールドシティのメインストリートに立っていました
道行く人は誰も彼女を気にかけません
忙しそうに
足早に
少女の前を通り過ぎていくだけです
たまに少女の方からすり寄って
「ドウデスカ?」と聞いても
無言で立ち去るばかりです
How much?とも聞いてくれません
「ナゼデスカ、ドウシテデスカ・・・」
少女は心の中で
繰り返し呟きました
脳裏には絶望の二文字しか浮かんできません
それでもめげずに
何十人
いや何百人
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