How much?売りの少女/花形新次
いや何千人と声をかけまくりました
でも結局誰も買ってはくれませんでした
「ニッポンノケイキハヨクナッテナイヨ〜!」
いよいよ立ってもいられなくなって
冷たいコンクリートの上に
座り込んでしまいました
ポケットからタバコを
なけなしの一本を取り出すと
百円ライターを探しました
「アッ、ソウヤ、ライターモウツカイキッテシモウタンヤ〜」
タバコも吸えないのか・・・もうおしまいや
と思っていると
目の前に
火が点された
ライターが差し出されました
少女が顔を上げると
そこには50前後の
渋い男性が立っていました
火、どうぞ
少女は、タバコに火を点けました
煙を
[次のページ]
前 次 グループ"パロディ詩"
編 削 Point(3)