償い/中原 那由多
 
誰かを好きになることで
その人を幸せにできると思っていた
そんな過ちを振りかざし
頬を赤く汚してきた

殺さなければいけないものは
純粋紛いの青春か


人のせいにしておけば
きっと無実でいられるのかもしれない
もういいんだよ、と
掌の中に収めることを見送ったから
今なら何とでも言える

所詮は噛み合わない歯車

気付いていても口には出さなかっただけ


影を作ってはすぐ消して
今度は形を変えてゆく
自由を求めていることで
すでにそこから出られない
加害者であるならば
さあ、自首を促してくれ


誰かを好きになることで
その人を傷付けていた
思うことではなくて
私自身が罪だった
悪足掻きとしての逆恨み


嘘泣きするのは誰?


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