【批評祭参加作品】好き勝手言わせて貰う【十年の、事実】/虹村 凌
 
のだ。音楽にせよ、映画にせよ、雨にせよ、何にせよ速いもの、スピード感があるものが好きなのだ。俺自身の劣等感や焦燥感を煽り立て、いても立ってもいられなくなってしまうような感覚が好きなのだ。マゾヒスティックな性癖の所為かも知れないが、とにかく速いのが好きなのだ。 俺にとって日常とは、あまり速度を感じられるものでは無い。試験前や課題製作中等は、時間に追われる事があっても、速度を感じられる瞬間は少ない。偶発的なボケに対するツッコミ等の短い瞬間はあっても、そうそう速度を感じられる事は無い。だから、他に速度を求めるのだろう。我ながら安易だと思うが、実に手軽に速度を体感出来るのだ。たまらなく気持ち良い。車や単車
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   グループ"第4回批評祭参加作品"
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