【批評祭参加作品】 それは水の話ではなく/たりぽん(大理 奔)
ろうとしていたものがそこにあって、それは掴み取ったが故に消えていったのです。まさにそれは時間だったのかも知れません。本人だけが納得してうなずいた、そんな独りよがりの。
雪がつもるためには、それが溶けてしまわない気温が必要です。「わたし時がふりつもる」ためにはいったいどんな気温が必要なのでしょうか。
必ずめぐる冬の日に
この身をぬくめるすべとして
わたし、
すべてを
失くしてゆくのでしょう
生き続けるために、いきていくためのぬくもりのために失うものがある。それに気付いたときの孤独感を私は痛みとともに感じます。水も雪も元
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