批評祭参加作品■砕かれていること/石川和広
 
方が人間の思考の生理に近い。

 時間というのは線でありつながっているというイメージが強いが、実はそうでもないようなのだ。こないだ統合失調症の病理に絡んで、計見一雄という精神科医が云っていたが、彼は道元を引用している。
 道元は時間というのは生まれて(現成)してはその瞬間に無に帰すといっている。時間は不連続なのだ。

 だとすると、時間はずーっと延びているのではなく、真っ白の瞬間がある。人間だってしょっちゅう呆けていることになる。健康な人間は適当に呆けることができるのかもしれない。ずーっと呆ける事ができず緊張している人はこの世界から糸が切れたように深い混迷に入る。

 ニーチェも晩年
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   グループ"第3回批評祭参加作品"
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