批評祭参加作品■雑記1/葉leaf
 
の逆ではない。つまり、文化が移ろうということが分かっているからそれまでの文化を批判しなければならないというのは論理が逆転している。「文化は変遷し現在はその到達点ではない」という歴史批判的な知見は、文化批判すべきとの命法を基礎付けえない。そうではなく、文化批判すべきなのは、批判をしないと文化が停滞し社会に活力が生まれないからだ。

 だが、批判にも様々な程度がある。定型詩を批判して自由詩にする場合と、前の世代の詩人の語彙が古臭いからもう少し新しくしようとする場合では、批判の程度がぜんぜん違う。前代の詩に対してわざわざ「根底的な批判」を加えなくとも、もっと穏やかな批判で十分詩の領域を活性化すること
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   グループ"第3回批評祭参加作品"
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